時代が大正ということで、ノスタルジックな世界観が個人的にもすごく好きで演じていて楽しかったです。僕自身神社に祀られた経験がないので、黒狐の気持ちは想像するしかなかったんですが、悪いものじゃないなと思いました(笑)。
もともと神社が好きなので嬉しかったですね。神社へはオーディションや仕事の前に願掛けに行ったりしますし、静かで落ち着く雰囲気が好きで時間をつぶすときにもよく行きます。
ヒロインをこんなにも好きで想っているのに、彼女に対して「ごめんね」というセリフがたくさん出てくるんですね。好きな気持ちを“伝えてしまってごめんね”という切なさを感じながら台本を読んでいました。好きなのに謝ってしまう気持ちの動きが、台本にとても緻密で丁寧に書かれていたので、「愛している」や「そばにいる」という言葉よりも印象に残りました。
一緒にお祭りに出かけて、ヒロインがりんご飴を食べて口の中を傷つけるシーンがあるんですが、お祭りの雰囲気とその出来事によってヒロインに対する“ある感情”に気付かされてしまった男のもどかしさが印象に残っていますね(笑)。元の姿は祀られているお稲荷様とはいえ、揺らいでしまった男の感情を醸し出すことができればと思いながら演じました。
一粒で二度美味しいなと思いますね。黎が黒狐であることをヒロインに悟られてはいけないので、演じていくなかでキャラクターに差をつけられればいいなと思いながら収録しました。同一人物のようですが、生き方も取り巻く周囲の環境も違っているので、僕も演じていてそれぞれの立場が楽しかったですね。
このCDを聴いてくださった方の中に、「黒狐が好き」とか「黎くんが好き」というのがそれぞれにあっても良いのかなと思いました。
夏が好きですが、とくに風が冷たくなり、次第に陽も短くなってきて秋の気配を感じる夏の終わり頃が一番好きです。その時期の夕方は祭りが終わった後のような物悲しさがありますよね。もちろん、真夏の海も良いですが、人がまばらになり賑わいも去っていく雰囲気が好きです。
実家にいた頃は海が近かったので、夏休みになると友だちと遊びに行って、暗くなるまで夏の終わりの海をボンヤリと眺めていました。寂しいけれど噛み締めないと勿体ない瞬間だなと感じるんですよね。空の色も昼と夜のあいだの時間がとても綺麗で、とくに夏の終わり頃は光の色が鮮やかなので、余計にそう感じるのかもしれませんね。なんか、カッコつけちゃいましたね(笑)。
お祭りは大好きです!見るのも参加するのも好きで、お神輿を担がせてもらうときもあります。まだ、西日本の有名なお祭りには参加したことがないので行ってみたいですね!あちらのお祭りは、厳かさでありながらエネルギッシュさも併せ持っている印象ですね。
今回、『幻妖綺』シリーズに黒狐として出演させていただきました。この中のひとりに加えてもらえたことを嬉しく思います!楽しみながら演じさせていただきました。伏見稲荷など、実際の場所も登場しますので、みなさんにも作品を楽しんでいただけると嬉しいと思っています。
あと、特典もありますので!台本のト書きに「かみつくようにキス」と書いてありましたから、どこのことかなあ?と想像しながら聴いていただけたらと思います(笑)。ぜひご注目よろしくお願いいたします!