2016.12.22 担当:一也
- [四羽目]
…………この企画、まだ続くのか? 
……正直、俺はいる意味ないよな。
そういうわけだから……染谷。
次回からお前一人であいつらの相手してやってくれ。

- むり。

- なんで?

- 俺はそんなに心が強くない!

- …………。

- いやいやいや。ありえないでしょ!?

- そもそも俺はあの双子となんも接点ないわけよ?
お前の方が関わりあんだから相手しろよ。 
- …………。

- 一也?
- ヘッドフォンを外すつもりのない一也。

- …………。

- ……染谷くん。

- 一也兄さんは……結構面倒臭がりだよ。

- ……知ってる。
割とこれ、いつもの反応だから。 
- …………。

- 2人って友達なんですよね?

- ……友達……だよ? ……多分。

- 疑問形なの?

- だ、大丈夫! 友達!
一也ってあんま他のヤツとつるまないんだけどさ、
たまーに、『これってもしかして心許してくれてる?』って瞬間があるし。 
- だから、俺と一也は友達だよ、うん。大丈夫。

- …………。

- さっきから、多分と大丈夫ばっかりですね~

- 夏木。

- なーに?

- 可哀想だから……もう、いじめちゃだめ。

- …………。
- (無言で頷く夏木)

- …………え、なにこれ。なにこの空気。

- ちょおおい、一也!
お前の態度が誤解を招くんだって!
いい加減戻ってこい! 
- 俺と染谷の関係はどうでもいいから、さっさと本題移れば?

- 本題も大事だけどさー。
俺だけが友達だと勘違いしてるっていう誤解をどうにかして欲しいんだけど……まあいいや。 
- えーっと、本題ね。本題。

- 『渇望メソッド』シリーズ1周年企画がようやく終了でーす!
(http://www.otomate-records.jp/katubou/) 
- 長らくのお付き合い有難うございました!

- 記念ショートストーリーの一部は、新しいシリーズの本編にちょっとだけ関わってるよ。

- …………? そうなの?

- いや、なんで自分で言って自分で首かしげてんの。

- そう言えば。
一也くんと染谷くんのお話はちょっと似てましたね。 
- …………。

- ね。それに、一也兄さんの制服姿って久しぶりに見た。

- 染谷くんも、一也くんと同じ学校だったんですねー

- ………………。

- ………………。

- ? なんで二人とも黙ってるんですか?

- んー……これ言っていいやつ?
まあ、いいのかな……多分。 
- 実はさあ……。
出身校が一緒って俺ら知らなかったんだよね。 
- 学年違ったしな。

- そういうことってあるの?

- 一也のが一つ下だったし、部活や委員会が一緒なわけでもないし、接点なければさすがになー

- そうじゃなくて。
そういう話ってしたことなかったの? 友達なのに? 
- ぐっ……痛いところをえぐってくるな。

- そういう話をしなかっただけだ。

- あーあ。染谷くんかわいそ~

- 一也くんは~ 染谷くんのこと~ 全然興味無いってことですよね~

- ……やめて、涙出てくる。
本気で自信なくなってきた……。 
- 一也兄さん。
黙ってるけど弁解はいいの? 
- ……こいつのテンションいつもこれだから。
いまさら相手するのも面倒。 
- ……あれ?
前に彼女が一也くんにお弁当届けに行ったときの連れ回し犯人って……。 
- もしかして……染谷さん?

- ………………。

- ……染谷。後で話がある。

- ……ちょっと落ちつこう一也。
そろそろ皆、この流れに飽きてると思うんだ。 
- 俺は飽きていない。

- 一也が積極的で嬉しいなー……じゃなくて。
俺は、ほら……親切心からさ。 
- 職員室で待たせれば良かっただろ。
校舎の中を連れ回す必要はない。 
- いやいやほら、見学……って、なんでそっちの双子は帰る準備してんの!?

- 夏木。今日のおやつは?

- なんでもい~よ。
はるの食べたいもの作ってあげる~ 
- 待って待って! お願い!
俺もおやつ食べたい!
じゃなくて、お願い待って行かないで!
-
おっと、すっかり忘れてたわー。
『渇望メソッド』シリーズ1周年企画が無事終了したってことでお土産どーぞ♪
年明けたら、シーン試聴の残りも公開するからそっちも楽しみに待っててな~
……ま、まあ……内容がさ、俺であって俺じゃないから……なんか、
楽しみに待っててって言っちゃっていいのか微妙なんだけど。








